不動産売却のポイント

1.売却の前にまずは相談

売却か?賃貸か?
はじめに物件の築年数やローン債務の内容、相場、相続、その他ライフプランを専門家に確認することをお勧めします。なぜならば売却よりも賃貸に出す場合の方が良いと判断できる場合もあるからです。

売却前に合意を!
売却を考える時、皆さんはどのような基準で不動産会社を選ぶのでしょうか?
自宅の投函されたチラシですか?Webで「不動産買取」などのキーワードで探すのでしょうか?自分の住まれているマンション名指定で「○○マンション限定で探しているお客様がいらっしゃいます!」のような書き方がされているチラシもありますが、実は単に売却物件を募集するためだけの方便であることも多いようです。例えばそのチラシを見て不動産会社に連絡します。売却の依頼をお願いした後に、「あのチラシの人はどうなりましたか?」と聞くと、不動産会社の方は「あの方は話が折り合いませんでしたので、他の方を探します。」となる場合があります。単に不動産会社が売却物件を収集するためだけに撒かれる場合も多いということです。
「家を売る」となった時に最も大事なことはなんでしょうか。それは 「家族の合意です」売却の段階になり家族内で意見が分かれるケースにならないようにしっかりと話し合いましょう。

2.査定額

不動産業者の査定方法
自宅の売却価格の査定はどのように行われるかをみてみましょう。
大きく分けて2種類の方法があります。
(1) 取引事例比較
多数の取引事例を収集して、適切な事例の選択を行い、その後必要に応じて事情補正や時点修正を行います。簡単に言えば周辺物件の相場で決める方法です。居住用の物件に多く適用されます。

(2) 収益還元法
対象不動産が将来生み出すであろう純収益の現在価値の総和を求めることによって不動産の価格を算定します。投資用の物件や都心の物件によく適用されます。
不動産業者に査定を依頼すると、相場より高く出てくる場合と低く出てくる場合があります。それはどのようなことなのでしょうか?

●高い査定額の場合
Webの一括査定依頼サービスを利用したことが考えられます。インターネットの査定サービスは、クリック一つで複数の不動産業者に査定を依頼できる便利なサービスです。不動産業者としては複数のライバルがいる状態なので相場よりも高い金額になります。依頼者がより興味を引くように相場より高い査定額で連絡が入る場合があります。依頼者は少しでも高い査定額を出してくれた会社に頼みたいのは当たり前になります。しかし不当に高い査定額をもとに売り出しても、売れにくい状況になります。そこで業者から「少し販売価格を下げましょう」と提案されることになります。また、近隣相場より高い値段が付くのには、同じ地番でも若干状況が違っているということも考えられます。同じ番地であっても道路の関係で価格は違ってきます。こうした事実を無視して、上記のように高い値付けをして、依頼者の関心を引くこともありますので、どの事例を参考にしたのか、いくつの事例を参考にしたのかなどをしっかりと聞いてみることが大切になります。

●低い査定額の場合
固定資産税評価額で査定している可能性があります。固定資産税評価額は、国土交通省が毎年1月1日時点の地価を公表する公示地価の70%程度で設定されています。公示価格ですら実際の取引価格(実勢価格)よりも安く設定されていますので、固定資産税評価額で査定された物件は、安く査定されることになります。その後、依頼者と不動産業者との話し合いにより販売価格を決めるようになる場合があります。

ちょっと待ってそのリフォーム!
自宅売却する場合、家にはいろいろな思い出やその家の使い易いところを熟知しているため価格を誤認識しやすくなります。そして、売却前に一部をリフォームしたり具体的には、キッチンや内装などに手を入れがちですが、売却時にはあまり評価の対象にはならないといえます。不動産には掘り出し物がないとはよく言われております。これは、購入する側からみた法則ですが、逆もまた真なりで、自分の家だけが近隣の相場より高く売れることは基本ありません。
客観的に、第三者の観点から自宅を評価してみましょう。思い入れによって高く売りに出しても、結局は買い手がつかず、値段を下げて、それでも売れず、さらに値段を下げ、結局は焦って安値で売却するハメになった、なんてことにならないように気をつけることが大事です。物件によってリフォームした場合が良いのか、しない方が良いのかを十分に不動産業者と話し合いをすることがが大切です!

売りやすい物件ですか?
物件の評価は客観的に行うことが重要です。買手の立場に立って考えることが必要です。売却前には事前にハウスクリーニングをして綺麗にする必要があります。
特に水廻りは買主が非常に気になるポイントですので念入りに行うことをお勧めします。可能であればハウスクリーニング専門業者に依頼してプロの手でのクリーニングをお勧めします。その他、床や壁紙なども注意するが必要です。
そして家具ですが間取りを活かした配置に気を付けましょう。
例えば、勝手口に冷蔵庫を置いたり、窓をタンスや本棚などで塞いだり現在の使い勝手ではなく、本来の間取りを活かした配置に戻すということも必要です。
買主は条件の良い物件を探しますが、中古物件で全ての希望に応えることは難しいです。ですが、上記のような点を注意するだけで買主が妥協点を見つけることができる場合がありますので注意が必要です。

適正価格とは?
適正価格とは売るまでの期間やタイミングで変動します。
早く売りたければ相場よりも価格を下げることが必要になりますし、長期で考えている場合は少々高い価格にして待つこともできます。
売り出しを開始して2週間目がポイントになり、3件の問い合わせがあるのが適正と言われています。また買主によっても変動します。
一般の方もしくは不動産業者に売る場合ですが、一般の方であれば相場で売る事が出来ます。しかし、不動産業者はスピーディーに買取をしてくれるメリットはありますが、買取後手直し等をして相場で販売価格を設定しますので、買取価格は安くなる場合があります。

3.売却時にかかる費用

(1) 仲介手数料
200万円までの物件であれば販売価格の5%、400万円までの物件であれば販売価格の4%+2万円、400万以上の物件であれば販売価格の3%+6万円が、不動産会社に支払う仲介手数料となります。
(2) 印紙代
売買契約書に貼付する印紙代が必要になります。5000万円以下の物件なら1万5千円、5000万円超であれば4万5千円です。
(3) 登記費用
物件の売却に伴い登記の変更を行いますのでその費用になります。司法書士に依頼する場合は、住所変更登記で1~2万円、抹消登記で2~3万円になります。
(4) 測量代
売却時に隣地との境界のポイント等が不明の場合は土地の測量を行うべきです。この場合だいたい30~50万円ほどかかります。
(5) 解体費用
更地にして売り出す場合は、建物の解体費用が必要になります。木造なら、延床面積を元に、坪数×5万円程度かかるとお考え下さい。
(6) その他
売却益等がでれば所得税や住民税を支払う必要があります。

4.売却前にチェック!

売却活動に入る前に、注意すべき点についていくつかポイントがありますのでチェックしてみましょう!
買主は第一印象で決めることが多い
特に女性はこの傾向が強いと言われています。買主候補の方が物件を見に来る前に、部屋の片付けはもちろん庭、水廻り、ガレージをキレイにしておきましょう。ハウスクリーニング専門業者に頼むと見違えるようにキレイになりますので、多少の投資として頼むことをお勧めします。
特に住んでいると全く気がつかないのがニオイです。これも専門業者に頼んだ方が良い理由です。その他にはカーテンを新調し明るい印象にしてください。
前述の通り間取りになった家具の配置も気を付けましょう。
(2) リフォームはするべきか?
本格的なリフォームは必要ないと思いますが、壁紙の張り替えやフローリングの修繕は安価であればお勧めします。
(3) 中古の場合の瑕疵担保責任
売主が業者であれば、2年の瑕疵担保責任(物件に欠陥があった場合に、売主が買主に対して負う責任)がつきます。売主が個人の場合は、2ヶ月ですが、契約時に特約によって免責することが可能です。これは、建物だけでなく土地にも適用されます。
(4) 引渡し時期
売買契約を締結後、通常は2ヶ月程度で引渡しとなります。実際の販売時には、「引渡し時期はご相談」とすることが多いです。常識的には6ヶ月が限度になると思います。

6.販売活動の計画を立てる

不動産業者1社と一般媒介契約を締結します。その不動産業者のHPや登録しているポータルサイトへの掲載をしてもらい2週間ほど様子を見ます。
この時点で問合せ件数が多いようだと査定額が安いというのは前述でありましたが、2〜3件の問合せがちょうど良いでしょう。
住宅情報や紙のチラシなどの紙媒体にて広告。それでも効果がなければオープンハウスなどで集客をしてもらうとよいでしょう。また、売却の話が進んだ時にあわてなくてもいいように契約に必要な書類は一式整えておくとよいでしょう。各種図面、物件の調査報告書、登記簿等の法律上の書類などになります。

以上が不動産を売却する上で必要な情報になります。
今回は中古住宅の内容が多くなりましたが土地の場合も同様です。詳しくは不動産業者へご確認ください。大切な資産を適切に売るためにご参考として頂ければと思います。

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